コラム

【中途採用】オファー金額を決めるときに絶対にやってはいけないこと

【中途採用】オファー金額を決めるときに絶対にやってはいけないこと

このコラムは、Podcastラジオ “社労士吉田優一の「給与設計相談室」” 第44回の配信をもとに書かれた記事です。

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目次

中途採用の給与決定は「最も頭を悩ませる課題」

企業の成長を支える優秀な人材の獲得競争が激化する昨今、中途採用における「オファー金額」の決定は、経営者や人事担当者にとって最も頭を悩ませる課題の一つではないでしょうか。

私自身も、お客様から「中途採用での給与の決め方にいつも悩む。どう考えればいいか」というご相談を頻繁に受けますし、正直に申し上げると、専門家である私も「悩ましい問題だ」と感じることがあります。

提示金額が低すぎれば、せっかくの優秀な人材を逃してしまいます。一方で、高すぎる金額を提示すれば、社内の給与バランスが崩れ、既存社員の不満やモチベーション低下を招くリスクがあります。

この繊細なバランスをどう取るべきか。本コラムでは、中途採用のオファー金額を決定する上での基本的な考え方と、絶対に避けるべき注意点について、法的な観点も交えながら解説します。

中途採用者の給与決定を支える3つの柱

中途採用者の給与を決定する際、一般的に考慮すべき要素は大きく3つあります。

①求職者の現在の給与(前職給与)

②自社の給与テーブル

③競合他社のオファー金額

多くの企業では、この3つの要素を総合的に勘案して、最終的なオファー金額を決定しています。

例えば、知名度が高く人気のある企業であれば、自社の給与テーブルのみを基準にすることも可能かもしれません。しかし、多くの場合、それだけでは優秀な人材の獲得は困難です。

そのため、既存の給与テーブルを尊重しつつも、候補者の前職給与を参考にしたり、競合他社の動向を睨みながら調整したりするのが現実的なアプローチとなります。

この3つの柱のどれか一つに偏るのではなく、それぞれのバランスを取りながら自社にとって適正で、かつ候補者にとっても魅力的な水準を見極めることが重要です。

高すぎても低すぎてもNG|オファー金額の失敗が招く経営リスク

オファー金額の決定で最も避けなければならないのは、極端な判断です。

低すぎるオファーのリスク

提示額が低すぎれば、候補者から「選考辞退」という形で答えが返ってくるでしょう。採用活動にかけた時間とコストが無駄になるだけでなく、企業の評判にも影響しかねません。

高すぎるオファーがもたらす深刻な問題

より慎重になるべきなのが「高すぎるオファー」です。特に、「この人材がどうしても欲しい」という思いが先行するあまり、既存の給与体系を大きく逸脱した金額を提示してしまうケースには注意が必要です。

入社後、既存社員が給与明細を見せ合うなどしてその事実を知った場合、「なぜ後から入社したあの人の方が給料が高いのか」という不満が噴出するのは避けられません。

これは組織の公平性を損ない、長年会社に貢献してきた社員のエンゲージメントを著しく低下させる、深刻な経営リスクに直結するのです。

納得感のあるオファー金額を導き出すための実践的プロセス

では、具体的にどのようなプロセスでオファー金額を決定すればよいのでしょうか。唯一の正解はありませんが、一般的には以下のステップで進めることが推奨されます。

第1ステップ:候補者との対話による情報収集

候補者との対話を通じて情報を収集します。現在の給与額や希望額を率直に尋ねるだけでなく、「転職において何を最も重視しているか」「許容できる年収ダウンの範囲はどこまでか」といった価値観を深くヒアリングすることが不可欠です。

第2ステップ:自社給与テーブルへの当てはめ

得られた情報を基に、候補者のスキルや経験を自社の給与テーブルに当てはめてみます。これにより、社内における客観的な評価額、つまり「社内公平性」の観点からの基準額が明確になります。

第3ステップ:最終的な戦略判断

この基準額と、候補者の希望額や競合他社の提示額といった「市場価格」を比較検討し、最終的なオファー金額を決定します。

例えば、自社の基準が500万円で競合が520万円を提示している場合、少し背伸びをしてでも採用すべきか、といった戦略的な判断がここで行われます。

まとめ

中途採用におけるオファー金額の決定は、単なる金額交渉ではありません。それは、候補者の市場価値、社内の公平性、そして企業の将来性という3つの要素を天秤にかける、極めて戦略的な経営判断です。

適切なプロセスを経て決定された公正な報酬は、新たな人材の活躍を促し、組織全体の活力を高める原動力となります。

社会保険労務士法人ONE HEARTでは、各社の実情に合わせた給与テーブルの設計や、最新の法改正に対応した雇用契約書の作成、採用プロセスの整備などを通じて、企業の採用力強化と労務リスク管理をサポートしています。

「自社の給与水準は適正だろうか」「採用に関する法的なルールを再確認したい」といったお悩みをお持ちの経営者様、人事担当者様は、ぜひ一度、当社の60分無料相談をご活用ください。貴社の成長を人事労務の側面から力強く支援いたします。

社会保険労務士法人ONE HEARTはITツールを組み合わせて、効率的な労務管理を作り、会社の発展に貢献します。急成長するスタートアップから、長年続く老舗企業まで、幅広いクライアント様をご支援させていただいています。

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吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

執筆:吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

社会保険労務士法人ONE HEARTの代表社労士。慶應義塾大学中退後、社会保険労務士試験に合格。その後社会保険労務士法人に勤務し、さまざまな中小企業の労務管理アドバイス業務に従事する。その中で、正しいノウハウがないためヒトの問題に悩む多くの経営者に出会う。こうした経営者の負担を軽減しながら、自らも模範となる会社づくりを実践したいという想いから、社会保険労務士法人ONE HEARTを設立。

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