コラム

【採用】中小企業の採用がうまくいかない原因

【採用】中小企業の採用がうまくいかない原因

このコラムは、Podcastラジオ “社労士吉田優一の「給与設計相談室」” 第135回の配信をもとに書かれた記事です。

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目次

中小企業の経営者とお話しすると、多くの方が採用に課題を抱えていることに気づきます。労務管理の整備を検討するきっかけも、実は「良い人材が採用できていない」「採用を有利にしたい」という人材確保の悩みから始まることが少なくありません。

私が経営する社会保険労務士法人ONE HEARTでも、採用には試行錯誤を重ねてきました。その経験から見えてきた、中小企業が陥りやすい採用の落とし穴と、そこから抜け出すための考え方をお伝えします。

採用市場を理解するための2つの軸

中小企業の採用がうまくいかない原因の多くは、自社が狙うべきターゲットを正しく捉えられていないことにあります。これを整理するために、採用市場を2つの軸で分けて考えてみましょう。

縦軸は「出社かリモートか」という働き方のスタイルです。コロナ禍を経て、この選択肢は採用において無視できない要素となりました。横軸は「優秀層か、それ以外か」という能力面での区分です。経営者なら誰もが優秀な人材を採用したいと考えるのは当然ですが、ここに大きな落とし穴があります。

何の戦略もなく「出社型で優秀な人材」を求めると、中小企業は厳しい戦いを強いられます。この層は大企業の採用ターゲットと重複します。大企業と中小企業の間には、福利厚生や賃金水準に明確な差が存在があり、このまま出社型の優秀層を募集しても、知名度の高い大企業に人材が流れてしまいます。採用戦略の第一歩は、この構造的な不利を自覚し対策することが必要です。

中小企業が避けるべきレッドオーシャン

一部の大手企業が出社回帰の動きを見せているというニュースを目にします。これを見て「やはりこれからは出社の時代だ」と判断するのは危険です。こうした方針転換ができるのは、圧倒的なブランド力を持つ企業だからこそであり、優秀な人材に対して出社を条件として提示できるのです。

ブランド力に乏しい中小企業が安易に全員出社を強制すれば、優秀な人材ほど「それならリモートができる他社へ行きます」と離れていってしまいます。ここで中小企業が取るべき道は、何かを選択し、何かを諦めることです。出社を諦めるか、優秀さを諦めるか。これこそが現実なのです。

かつての中小企業は出社を前提とし、まだスキルが十分でない層を採用する戦略を取ってきました。しかし、これは現場に多大な負荷をかけます。何度教えても覚えてもらえず、周囲のスタッフに不満が溜まり、結果として組織が疲弊し退職者が増えるという悪循環に陥りやすいのです。

この見えにくい教育コストが、中小企業の労務管理をより難しくしています。教育に時間を取られることで、本来やるべき業務が滞り、組織全体の生産性が下がってしまうからです。

ONE HEARTが選んだリモート×優秀層戦略

そこで私たちが選択したのが、リモートワークを前提に優秀な人材を採用するという戦略です。コロナ禍を経て、この方向性にシフトする企業は確実に増えています。

実際、ONE HEARTにはリモート環境で高いパフォーマンスを発揮してくれる優秀なスタッフが多数在籍しており、経営者である私自身も大きな信頼を置いて仕事を任せることができています。ストレスを感じることなく、むしろ効率的に組織が回っていると実感しています。

もちろん、リモートワークには教育が難しいという課題がつきまといます。しかし、これはリモートそのものの欠陥ではなく、教育体制が十分に整備されていないことが原因です。

従来の出社型の会社では、多くの教育がOJTという名のもとに、実践型の教育が行われてきました。たまたま発生した案件を題材に教えるため、教育内容にムラが生じやすく、計画的なスキルアップが望めません。

リモート環境こそ、教育の質を高めるチャンスです。ONE HEARTでは、業務の手順を動画コンテンツ化したり、教えるべき項目をリスト化したりして、計画的に研修を行っています。あらかじめ日時を決めてオンライン面談を実施するなど、仕組み化を徹底することで、出社型よりも効率的かつ均質な教育が可能になります。

こうしたリモートでの教育体制を構築できるかどうかが、これからの採用競争力を左右します。

これからの組織設計と役割の逆転

最後に、これからの時代に生き残るための組織設計についてお話しします。現在はまだ、出社スタッフが中核業務を担い、リモートスタッフがサポート業務を行うという体制の会社が多いかもしれません。例えば、社員が出社して顧客対応などの中核を担い、育児中のスタッフなどが在宅勤務で事務サポートをする形です。

しかし、このような構造はもはや維持できないと考えています。なぜなら、真に自律的で優秀な人材は、リモートワークという働き方を強く好むからです。リモートを好む人は自己管理能力が高く、責任のある中核業務を任せると、期待以上の成果を出してくれる傾向があります。

一部の会社に限られると思いますが、リモートスタッフがWeb会議を通じて経営判断に関わり、戦略的な業務を遂行する一方で、出社のパートやアルバイトスタッフが郵送業務などの物理的なサポートを担う、という役割の逆転が起こると予想しています。

一度リモートワークの効率性と快適さを経験した優秀な人材は、もう以前の毎日出社の生活には戻れません。世の中の優秀層がこの事実に気づき始めている今、企業側もリモート中心の組織へとシフトしていく必要があります。自律した個人が場所を選ばずに活躍し、会社の中核を支える。そんな組織こそが、これからの厳しい採用市場を生き抜いていけると確信しています。

まとめ

中小企業の採用がうまくいかない背景には、ターゲット選定の誤りと、旧来の働き方への固執があります。大企業と同じ土俵で出社型の優秀層を奪い合うのではなく、リモートワークという武器を最大限に活用し、自律的な優秀層を惹きつける戦略への転換が求められています。

教育体制を仕組み化し、リモート環境でも質の高い人材育成ができる体制を整えることで、中小企業でも優秀な人材を採用し、定着させることが可能になります。

私たち社会保険労務士法人ONE HEARTでは、急成長を遂げる企業に対し、こうした採用戦略の見直しや、リモートワーク導入に伴う労務管理の整備をサポートしています。採用難に直面している、あるいはリモートワーク導入に不安があるといったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

初回相談は無料です。当社のホームページからお気軽にお問い合わせください。皆様と一緒に、理想の組織づくりができることを楽しみにしています。

また、社会保険労務士法人ONE HEARTはITツールを組み合わせて、効率的な労務管理を作り、会社の発展に貢献します。急成長するスタートアップから、長年続く老舗企業まで、幅広いクライアント様をご支援させていただいています。

ONE HEARTに労務のご相談をしたい方、ONE HEARTでのお仕事に興味がある方、吉田とお話ししてみたい方など、ホームページの問い合わせフォームやtwitterのDMからお気軽にご連絡いただけると幸いです!

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吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

執筆:吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

社会保険労務士法人ONE HEARTの代表社労士。慶應義塾大学中退後、社会保険労務士試験に合格。その後社会保険労務士法人に勤務し、さまざまな中小企業の労務管理アドバイス業務に従事する。その中で、正しいノウハウがないためヒトの問題に悩む多くの経営者に出会う。こうした経営者の負担を軽減しながら、自らも模範となる会社づくりを実践したいという想いから、社会保険労務士法人ONE HEARTを設立。

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