このコラムは、Podcastラジオ “社労士吉田優一の「給与設計相談室」” 第13回の配信をもとに書かれた記事です。
Podcastでは、給与・報酬の設計を中心に、会社を経営していくうえでぶつかる人事の課題についてお話ししています。ぜひフォローをお願いします!
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急激にリモートワークが普及しました。当社にも働き方の相談件数が増えてきました。同じような内容の悩みを経営者の皆さんからたびたび聞くことがあります。
このコラムでは、リモートワークのメリットやデメリット、経営のコツ、お悩みの解決策について解説していきます。
リモートワークのメリット
求人に強い
オフィスが東京にあり出社が前提の場合、従業員を採用する範囲は広くても関東圏に限られるケースが多いでしょう。しかしリモートワークなら通勤が不要なため日本全国だけでなく、世界にも求人を広げることができます。転勤の可能性がないことや通勤時間の削減は従業員側にとっても大きなメリットといえます。
固定費が下がる→利益が増える
また就業規則の規定次第ですが、通勤手当は通勤にかかる実費を補填するものなので、リモートワークは通勤手当を支払わなくていいことになります。
このように固定費や通勤手当の減少によって会社の利益が増えることになります。
制度や経営者の考え方次第ですが、この増加した利益は賞与原資や昇給原資になるので、従業員にもメリットがあるといえます。
通勤退勤の時間の満員電車に乗らなくてもいいこと、天候による遅延や運休の影響を受けないことも大きいです。
リモートワークのデメリット
教育や研修が困難
従業員同士の会話が減るため、コミュニケーション不足になりがちです。そのため従業員のわからないことがそのままになってしまったりして、教育や研修を十分に行うことが難しくなる傾向にあります。
労働時間の管理が曖昧に
始業と終業の打刻が曖昧になり、正しい打刻がされているのか、勤務状況の把握がしづらくなります。
機密情報漏洩のリスク
仕事用のパソコンが配布されていないなどの理由で家庭で使っているパソコンで仕事をすると、セキュリティの管理が難しく、機密情報が漏洩する恐れがあります。
リモートワークを成立させるポイントは「ガチガチに管理することをやめる」こと
「あまりにも業務の進みが遅いから、スタッフがサボっているのではないか」というご相談をいただくこともあります。
リモートワークを経験した経営者なら、誰しも一度は頭をよぎる悩みではないですよね。
しかしみなさん、一度冷静に問いかけてみてください。「出勤さえすれば、従業員はサボらない」と言えるでしょうか?
外回りの途中で休憩している営業マン。会社のトイレでスマホゲームをやる会社員。みなさんも人生でそのような瞬間があったかもしれません。
従業員をサボらせないことは、手段であって目的ではありません。
会社が目指す成果に辿り着けるのであれば、「少しくらいの息抜き = サボり」を許容して良いという考えもあります。
だからこそ、「サボっているかもしれない」従業員とのコミュニケーションでは疑わないことが大切です。
1時間で終わるであろう業務を4時間かかっているなら、サボっているのではなく、なにか取り組み方に問題があるはず。「1時間で終わる方法を一緒に考えましょう!」と、一緒に適正化を図っていくコミュニケーションが好ましいです。
当社でもリモートワークを推奨しています!
当社も週に一回出社の準リモートワーク体制を導入しています。
仕事柄、紙の業務も減ってきてはいますが一定数あるのが現実です。デジタル化できる部分はデジタルで業務を行っていますが、どうしても紙ベースの作業をしなければならないときは出社する日に作業しています。
当社のようにリモートワークを行っている社労士事務所は珍しいです。
私たちも手探りで勉強しながらリモートワークを進めています。上記のメリットである採用面で効果を感じたり、固定費が下がることで経営の意思決定の選択肢が増えていることを感じます。
リモートワーク導入の検討している会社の方は当社までご相談ください!記事では書けないリアルな実態もお話しできると思います。
まとめ
このコラムでは、リモートワークについて解説しました。
経営のコツは、「従業員をガチガチに管理することをやめる」ことです。
多少のサボりは目を瞑り、従業員とのコミュニケーションを大切にしましょう。
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社会保険労務士法人ONE HEARTはITツールを組み合わせて、効率的な労務管理を作り、会社の発展に貢献します。急成長するスタートアップから、長年続く老舗企業まで、幅広いクライアント様をご支援させていただいています。
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執筆:吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)
慶應義塾大学中退後、社会保険労務士試験に合格。その後社会保険労務士法人に勤務し、さまざまな中小企業の労務管理アドバイス業務に従事する。その中で、正しいノウハウがないためヒトの問題に悩む多くの経営者に出会う。効率的な労務管理の手法を広めつつ、自ら会社経営を実践するために社会保険労務士法人ONE HEARTを設立し独立開業。