コラム

【給与計算】給与計算をアウトソースするメリット・デメリット

【給与計算】給与計算をアウトソースするメリット・デメリット

このコラムは、Podcastラジオ “社労士吉田優一の「給与設計相談室」” 第133回および第134回の配信をもとに書かれた記事です。

第133回【給与計算】給与計算をアウトソースするメリット

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目次

「できて当たり前」と思われがちな給与計算ですが、その実態は非常に緻密で、担当者には大きなプレッシャーがかかる仕事です。社会保険労務士として数多くの企業の給与計算に携わってきた私のもとには、この業務を自社で行うべきか、外部に委託すべきかという相談が頻繁に寄せられます。

今回は、給与計算アウトソーシングのメリットとデメリットを、実務的な視点から深掘りしていきます。単なる手間を省くという次元を超えた、経営戦略としてのアウトソーシングの価値についてお話ししましょう。

給与計算アウトソースで人的リソースと精神的重圧から解放される

給与計算を自社で行う際、最も大きな負担となるのは時間的・心理的ストレスです。多くの担当者にとって、給与計算は小学生の夏休みの宿題のような存在ではないでしょうか。支払日が近づくにつれ「そろそろ始めなければ」という憂鬱な気持ちになり、他の重要な業務を止めて没頭しなければなりません。この気が進まない業務を抱え続けることは、組織の生産性を低下させます。

給与計算の外部委託における最大のメリットは、この人的リソースから解放されることです。複雑な計算やチェックから解放され、この空いた時間を、採用活動や教育研修、組織文化の醸成といった、より付加価値の高い人事業務に振り向けることができるのです。これは単なるコスト削減ではなく、企業の成長を加速させるための時間の投資と言えるでしょう。

専門知識の継続的なアップデートと属人化リスクの回避

給与計算は単なる事務作業ではなく、労働基準法、社会保険諸法令、所得税法などの深い理解を必要とするプロフェッショナルな仕事です。法改正は頻繁に行われ、それらを正確に計算に反映させることは容易ではありません。自社の担当者だけで対応していると、知識不足による計算ミスや法改正の見落としといったリスクが常に付きまといます。プロに委託することで、常に最新の法令に準拠した正確な処理が担保されます。

また、中小企業において特に深刻なのが属人化です。特定の担当者しか給与計算ができない状態では、その方が突然の病気や退職で不在になった瞬間、全従業員への給与支払いが止まってしまうという致命的なリスクを抱えることになります。給与計算のアウトソースを導入し業務フローを外部と共有しておくことで、誰か一人の存在に依存しない、事業継続性の高い組織体制を構築できるのです。

給与データの機密保持と人事課題の早期発見

給与データは企業における機密情報のひとつです。社内で計算を行っている場合、たとえ鍵付きの棚に保管していても、ふとした瞬間に他の従業員の目に触れてしまうリスクがあります。役員報酬や特定の社員の給与額が漏洩すれば、社内の人間関係や士気に深刻な悪影響を及ぼします。外部に委託し、セキュリティの強固なクラウドサーバー等で管理することで、こうした社内での情報漏洩リスクを物理的に遮断できます。

さらに、プロの視点で給与データを分析することは、組織の健康状態を把握することにも繋がります。特定の部署で残業代が突出している、世間相場と比較して給与水準が低すぎるといった事実は、離職率の上昇などの人事課題を予見するシグナルとなります。信頼できる社労士であれば、計算結果を納品するだけでなく、「この水準では採用や定着が難しいかもしれません」といった、経営に資する客観的なアドバイスを提供してくれるのです。

給与計算アウトソースのデメリットと注意点

一方で、給与計算の外部委託にはデメリットも存在します。まず考慮すべきは、情報を外部に出すこと自体に伴う情報漏洩のリスクです。自社で管理するよりも安全な体制を整えている業者が多いとはいえ、委託先の選定を誤れば、大切な従業員データが不適切に扱われる危険性も否定できません。ISMSやプライバシーマークの取得状況やデータの保管方法について、事前に十分な確認が必要です。

次に、初期コストとコミュニケーションの手間が挙げられます。導入時には、自社の複雑な賃金規定をアウトソーサーに理解してもらうための整備作業が必要ですし、月々の運用でも、勤怠データの受け渡しや新入社員の情報共有といったやり取りが必ず発生します。自社で完結していれば「あうんの呼吸」で済んでいたことも、外部との連携では丁寧な説明と確認が求められます。これを管理の手間と感じるか、業務を整理する良い機会と捉えるかが、成功の分かれ道となります。

経営戦略としての給与計算アウトソース活用法

給与計算のアウトソーシング導入の判断基準は、単純な外注費の多寡ではありません。経営者として考えるべきは、その業務に割いている時間を、いくらの利益を生む時間に転換できるかという視点です。たとえば、社長自らが給与計算に毎月10時間を費やしているなら、その10時間で新たな商談をまとめたり戦略を練ったりすることで得られる利益と、外注費を比較するのです。

特に成長過程にある企業ほど、優秀な人材のキャパシティを事務作業で埋めてしまう損失は計り知れません。また、給与計算をしばらく見直していない場合、プロに外注することを機に、複雑化した手当や古い規定を整理し、最新の労務管理システムを導入して業務を筋肉質なものに変革できます。このように、給与計算アウトソースは単なる代行ではなく、社内のリソースを最適化し、攻めの経営に転じるための強力なツールなのです。

まとめ

給与計算のアウトソーシングは、ミスのない正確な支払いを実現するだけでなく、社内の人的リソースを解放し、経営の透明性を高めるための戦略的な一手です。もちろん、情報の受け渡しや初期設定といった負担はありますが、それによって得られる安心と時間は、企業の持続的な成長において代えがたい資産となります。

社会保険労務士法人ONE HEARTでは、お客様の現在の業務フローを詳細にヒアリングし、最適なクラウドツールの導入から実務の代行まで、トータルでサポートしております。単に計算を行うだけでなく、データに基づいた人事戦略のアドバイスを通じ、貴社が本業に全力で集中できる環境づくりをお手伝いいたします。

自社での計算に限界を感じている、属人化を解消したい、給与体系を見直したい。そんなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な解決策を、共に見出していきましょう。

初回相談は無料です。当社のホームページよりお気軽にお問い合わせください。

また、社会保険労務士法人ONE HEARTはITツールを組み合わせて、効率的な労務管理を作り、会社の発展に貢献します。急成長するスタートアップから、長年続く老舗企業まで、幅広いクライアント様をご支援させていただいています。

ONE HEARTに労務のご相談をしたい方、ONE HEARTでのお仕事に興味がある方、吉田とお話ししてみたい方など、ホームページの問い合わせフォームやtwitterのDMからお気軽にご連絡いただけると幸いです!

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吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

執筆:吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

社会保険労務士法人ONE HEARTの代表社労士。慶應義塾大学中退後、社会保険労務士試験に合格。その後社会保険労務士法人に勤務し、さまざまな中小企業の労務管理アドバイス業務に従事する。その中で、正しいノウハウがないためヒトの問題に悩む多くの経営者に出会う。こうした経営者の負担を軽減しながら、自らも模範となる会社づくりを実践したいという想いから、社会保険労務士法人ONE HEARTを設立。

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