コラム

労働基準法 違反はどうなる?罰則・事例・企業名公表を解説

労働基準法 違反はどうなる?罰則・事例・企業名公表を解説

労働基準法に違反するとどうなるのか、経営者や労務担当者であれば正確に把握しておく必要があります。
違反すると、罰則が科されるだけでなく、企業名が公表されて社会的な信用を失うなど、事業に深刻な影響が及ぶ可能性があります。
この記事では、労働基準法に違反すると企業に何が起こるのか、具体的な罰則や違反事例、違反が発覚してからの流れ、そして企業が取るべき対策について解説します。
どうなるかを理解し、適切な労務管理体制を構築することが重要です。

そもそも労働基準法違反とは?

労働基準法違反とは、労働者の労働条件の最低基準を定めた法律である労働基準法の内容に反している状態を指します。
この法律は、労働時間、休日、賃金、安全衛生といった労働者の基本的な権利を保護するために存在します。
したがって、法律で定められた基準を満たさない労働条件で労働者を雇用したり、義務付けられた手続きを怠ったりする行為は、労働基準法に違反する行為となります。
意図的であるか否かにかかわらず、労働基準法に違反していると判断された場合、企業は罰則や行政指導の対象となる可能性があります。

【ケース別】これって違法?よくある労働基準法違反の内容一覧

労働基準法違反には様々な事例がありますが、中には経営者が違反の疑いを認識しないまま常態化しているケースも少なくありません。
ここでは、労働時間や賃金、ハラスメントといった具体的な例を挙げて、どのような行為が違反にあたるのかを解説します。
悪質なケースではニュースで報じられることもあり、特に建設業などでは複数の違反が指摘される事例も見られます。
労働基準法第3条の均等待遇や、労働基準法第5条の強制労働の禁止、第7条の公民権行使の保障など、基本的な条文への違反は厳しく問われます。
和歌山労働局が公表した事案のように、具体的な事例から学ぶことも重要です。

【労働時間・休憩時間・休日】に関する違反例

労働時間、休憩、休日に関する違反は、労働基準法違反の中でも特に多く見られる類型です。
法定労働時間である1日8時間・週40時間を超えて労働させる場合、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結と届出が必須です。
この協定なしに残業させることはできません。
また、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与えなければならず(第34条)、週に少なくとも1日の休日を確保する義務もあります(第35条)。
タイムカードを適切に管理せず、記録に残らないサービス残業を強いることも、勤務時間管理義務に違反する重大な問題です。

【賃金・残業代】に関する違反例

賃金や残業代の未払いは、労働基準法違反の典型例です。
時間外労働、休日労働、深夜労働に対しては、労働基準法第37条で定められた割増率で計算した残業代を支払う義務があります。
また、賃金は通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定期日に支払わなければならないという「賃金支払いの5原則」(第24条)も定められています。
このほか、男女同一賃金の原則(労働基準法第4条)に反する賃金格差、労働者の無知に付け込む中間搾取の禁止(第6条)、強制的に貯蓄させることの禁止(第18条)なども定められており、これらの違反は厳しい罰則の対象となります。

【有給休暇】に関する違反例

年次有給休暇の付与と取得は、労働基準法第39条で定められた労働者の権利です。
企業は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日の有給休暇を与えなければなりません。
その後も勤続年数に応じて付与日数は増加します。
労働者から有給の取得申請があった際に、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、企業が一方的に拒否することは違法です。
また、2019年4月からは、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、年5日については企業側が取得させることが義務化されており、この義務を果たさない場合も違反となります。

【不当解雇・退職】に関する違反例

解雇や退職に関するトラブルも労働基準法違反につながりやすい問題です。
労働者を解雇する場合、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、解雇権の濫用として無効になります(労働契約法第16条)。
また、やむを得ない事情で解雇する場合でも、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります(労働基準法第20条)。
これを怠ると違反となります。
労働者からの正当な退職の申し出を会社が拒否し、辞めさせないといった行為も問題視されます。

【安全衛生・ハラスメント】に関する違反例

会社は、労働者が安全で健康に働ける職場環境を整備する義務を負っています。
これには、機械の安全対策といった物理的な安全配慮だけでなく、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントの防止措置、メンタルヘルス対策も含まれます。
これらの義務を怠った結果、労働者に精神的または身体的な損害が生じた事例では、会社は安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる可能性があります。
ハラスメントは個人の問題として片付けられるものではなく、企業としての責任が問われる重要な経営課題の一例です。

【採用】に関する違反例

採用活動においても、労働基準法や関連法規の遵守が求められます。
例えば、求人票に記載した労働条件と、実際の雇用契約の内容が著しく異なる場合、労働条件明示義務違反(労働基準法第15条)や職業安定法違反に問われる可能性があります。
また、過去の労働基準法違反歴は、厚生労働省のサイトで公表されることがあり、求職者が企業を選ぶ際の重要な判断材料となります。
違反歴が発覚すれば企業の評判は低下し、優秀な人材の確保が困難になるなど、採用活動に深刻な影響を及ぼすことになります。

【労働契約・就業規則】に関する違反例

企業は採用にあたり、労働者に対して賃金や労働時間などの労働条件を明示する義務があります。
この明示を怠ったり、内容が不十分だったりすると違反となります。
また、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。
さらに、作成した就業規則は、事業場での掲示や書面の交付などの方法で、全労働者に周知する義務があります。
これらの作成・届出・周知義務のいずれかを怠ることも労働基準法違反です。

【違約金・損害賠償の予定】に関する違反例

労働基準法第16条では、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定したりする契約を結ぶことを禁止しています。例えば、労働者が雇用契約期間中に途中で退職した場合に違約金を請求したり、仕事上のミスによる損害に備えて一定額を給料から天引きする旨を契約書に盛り込んだりする行為は違法です。これに違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。労働者に責任があるトラブルであっても、一方的な賠償予定は認められません。

労働基準法に違反するとどうなる?労働基準法に違反した場合に企業が負う4つのリスクや影響

労働基準法に違反した場合、企業は単に行政指導を受けるだけでは済みません。
違反したらどうなるのか、その具体的なリスクを理解しておくことが重要です。
労働基準法に違反した場合に企業が直面する主なリスクは、「刑事罰」「是正勧告」「企業名の公表」「損害賠償請求」の4つです。
これらのリスクはそれぞれ独立しているわけではなく、複合的に企業の経営に深刻なダメージを与える可能性があります。

1. 刑事罰(懲役または罰金)が科される

労働基準法には、違反内容に応じた罰則規定が設けられており、悪質なケースでは刑事罰が科されます。
最も重い刑罰は、強制労働に対する「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」です。
他にも、36協定の上限を超えた時間外労働や、割増賃金の不払いなどには「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が定められています。
これらの罰則は、法人だけでなく、代表者にも罰金刑が科されることがあります。

2. 労働基準監督署から是正勧告を受ける

労働基準監督署による調査の結果、法令違反が認められた場合、企業に対して「是正勧告書」が交付されます。
これは行政指導の一環であり、違反事項を建立、指定された期日までに改善結果を報告するよう求めるものです。
是正勧告自体に法的な強制力はありませんが、これを無視したり、不誠実な対応を続けたりすると、事態は悪化します。
悪質と判断されれば、書類送検され刑事事件として扱われる可能性が高まるため、勧告には迅速かつ誠実な対応が不可欠です。

3. 違反企業として厚生労働省のサイトで社名が公表される

長時間労働の是正指導を繰り返し受けても改善が見られないなど、社会的影響が大きいと判断される悪質な事案については、厚生労働省のウェブサイト上で「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として企業名が公表されます。
一度公表されると、企業名、事業所の所在地、違反した法律、事案の概要、送検日などがインターネット上に掲載されます。
この企業名公表は、企業の社会的信用を大きく損ない、取引先からの信頼失墜や、採用活動における応募者の減少、従業員の離職など、事業活動に深刻な悪影響を及ぼします。

4. 従業員から損害賠償を請求される可能性がある

労働基準法違反は、従業員との民事トラブルに発展するリスクも抱えています。
例えば、未払いの残業代がある場合、従業員は過去に遡ってその支払いを請求する権利があります。
また、不当解雇やハラスメントが原因で精神적苦痛を受けたとして、損害賠償(慰謝料)を求める訴訟を起こされる可能性も考えられます。
裁判に発展すれば、企業は対応に多大な時間と費用を要するだけでなく、敗訴した場合には高額な支払いを命じられることもあり、経営に大きな打撃を与えかねません。

違反が発覚してから罰則が科されるまでの流れ

労働基準法違反が発覚してから、実際に罰則が科されるまでには、いくつかの段階を経るのが一般的です。
多くの場合、いきなり刑事事件になるわけではなく、まず行政指導が行われます。
ここでは、労働者からの申告などをきっかけに違反が発覚した後、どのようなプロセスで手続きが進んでいくのかを解説します。

ステップ1:労働基準監督署による立ち入り調査

労働者からの申告や告発、あるいは定期的な監督計画に基づき、労働基準監督官が事業場に予告なく立ち入り調査(臨検監督)を行います。
調査では、労働者名簿、賃金台帳、タイムカードなどの書類の提出を求められるほか、経営者や労働者へのヒアリングが実施されます。
この調査を拒んだり、虚偽の報告をしたりすると、それ自体が罰則の対象となるため、誠実に対応しなければなりません。

ステップ2:是正勧告・指導票の交付

立ち入り調査の結果、労働基準法違反が確認された場合は「是正勧告書」が、法違反ではないものの改善が望ましい点が見つかった場合は「指導票」が交付されます。
是正勧告書には、違反している法律の条文、具体的な違反内容、そして是正期日が明記されています。
この勧告を無視すると、再度の調査や、より厳しい措置に進む可能性が高まります。

ステップ3:改善の実施と報告

是正勧告を受けた企業は、指摘された違反事項を是正するための具体的な改善策を実行する必要があります。
例えば、未払い残業代があれば速やかに支払い、就業規則に不備があれば改定して届け出るなどの対応が求められます。
改善措置が完了したら、その内容を「是正(改善)報告書」にまとめ、証拠資料を添付して労基署に提出します。
この報告が受理され、改善が確認されることで手続きは完了となります。

ステップ4:改善が見られない場合は送検(刑事事件化)

是正勧告に繰り返し従わない、違反内容が悪質である、あるいは証拠隠滅を図るなどの行為があった場合、労働基準監督官は特別司法警察職員として、事件を検察庁に送致します。
送検後は検察官による捜査が行われ、起訴されれば刑事裁判となります。
極めて悪質なケースでは、経営者が警察官に逮捕される可能性もゼロではありません。
ここまで至ると、企業が受けるダメージは計り知れません。

罰則の対象者は誰か?

労働基準法に違反した場合、罰則の対象となるのは「使用者」です。
「使用者」とは、労働基準法第10条により「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」と定義されています。
具体的には、会社の代表取締役などの経営者だけでなく、実質的な権限を持つ役員、工場長、部長、課長といった管理職も対象とされることがあります。
また、両罰規定(労働基準法第121条)により、違反行為を行った個人だけでなく、法人自体も罰金の対象となります。

時効はあるか?

労働基準法違反の罪にも公訴時効が存在します。
労働基準法に違反した場合の罰則の多くは「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」などに該当し、これらの罪の公訴時効は刑事訴訟法に基づき3年と定められています。
つまり、違反行為から3年間起訴されなかった場合、刑事罰の対象とはならなくなります。
ただし、これは刑事罰に関する時効です。
例えば、未払い賃金の請求権は、民事上の時効が当面の間3年とされており、労働者は過去の未払い分について訴訟を起こすことが可能です。
時効が成立したからといって、企業がすべての責任を免れるわけではありません。

労働基準法違反を防ぐために企業がすべき対策や対応

労働基準法違反は、企業の評判や経営に深刻な影響を及ぼします。
意図しない法令違反を犯さないためにも、企業は日頃から適切な労務管理体制を構築し、予防策を講じることが極めて重要です。
ここでは、違反を防ぐために企業が具体的に取り組むべき対策や対応について解説します。

労働時間や勤怠状況を正確に記録・管理する

労働基準法違反を防ぐための最も基本的な対策は、労働時間を客観的かつ正確に把握することです。
タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間のログなど、客観的な記録に基づいて始業・終業時刻を管理し、残業時間や休日労働の実態を可視化する必要があります。
勤怠管理システムを導入すれば、リアルタイムで労働状況を把握でき、長時間労働の是正や36協定の上限管理が容易になります。

就業規則や36協定を法改正に合わせて見直す

労働関連法規は頻繁に改正されます。
働き方改革関連法による時間外労働の上限規制の導入など、企業経営に直結する大きな変更も少なくありません。
法改正に対応できていない古い就業規則や36協定を放置していると、知らないうちに法令違反を犯してしまうリスクがあります。
定期的に専門家のアドバイスを受けながら、自社の規定が最新の法律に適合しているかを確認し、必要に応じて見直しを行うことが不可欠です。

労働法の専門家(社会保険労務士)に相談する

労務管理は専門的な知識を要するため、自社内の担当者だけですべてを完璧に対応するのは困難な場合があります。
コンプライアンス体制に不安がある場合や、法解釈に迷う事案が発生した際には、労働問題に詳しい社会保険労務士といった外部の専門家に相談することが有効です。
専門家の助言を得ることで、リスクを未然に防ぎ、万が一トラブルが発生した際にも迅速かつ適切に対応できます。

ハラスメントや労務トラブルに対応する社内相談窓口を設置する

労働基準法や関連法令の違反を未然に防ぐためには、従業員が不当な扱いやハラスメントを受けた際に安心して相談できる社内通報窓口の設置が有効です。現場で常態化しているサービス残業やパワハラなどの問題は、経営陣が把握しにくいケースが少なくありません。独立した通報窓口を機能させ、相談者のプライバシー保護や不利益な取り扱いの禁止を徹底することで、従業員が労働基準監督署へ申告する前に社内で自浄作用を働かせ、早期の解決と健全な職場環境の維持につなげることができます。

労働トラブル発生時は弁護士に相談・依頼する

社内の労務管理体制を整備する予防段階では社会保険労務士のサポートが有効ですが、実際に従業員との間で未払い残業代の請求や不当解雇をめぐる訴訟、あるいは労働基準監督署による厳しい調査といったトラブルが発生した場合には、労働問題に強い弁護士へ相談することが重要です。弁護士であれば、会社側の代理人として労働審判や裁判での交渉を一任でき、法的根拠に基づいた適切な反論や対応が可能になります。事態が深刻化する前に、初期段階から専門家の知見を借りることでリスクを抑えられます。

労働基準法違反で公表された企業リストの確認方法

厚生労働省は、労働基準関係法令に違反した企業の一覧を公表しています。
このリストをチェックすることは、自社のコンプライアンス意識を高めるだけでなく、取引先の信用調査や就職・転職活動における企業研究にも役立ちます。
ここでは、公表された企業リストの具体的な確認方法を解説します。

厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」をチェックする

公表リストは、厚生労働省のウェブサイト内にある「労働基準関係法令違反に係る公表事案」のページで確認できます。
このページでは、全国の労働局管内で労働基準法などに違反し、送検された企業の名称、所在地、公表日、違反法条、事案概要などがPDF形式の一覧で公開されています。
特定の企業のランキングが示されているわけではありませんが、業種ごとの違反件数や違反内容の傾向を把握するための参考資料となります。

労働基準法違反に関するよくある質問

ここでは、労働基準法違反に関して、経営者や労務担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 公表された企業名はいつまで掲載されるのですか?

企業名が公表される期間は、原則として公表日から1年間です。
ただし、掲載されている企業が違反を是正し、再発防止策を講じたことが確認された場合など、一定の要件を満たせば1年を待たずに削除されることがあります。
公表の時効という考え方ではなく、事案の重大性や改善状況に応じて掲載期間が判断されます。

Q. アルバイトやパートの労働者でも労働基準法は適用されますか?

はい、適用されます。
労働基準法は、正社員、契約社員、パート、アルバイトといった雇用形態に関わらず、企業に雇用されて働くすべての労働者が対象です。
したがって、アルバイトやパートの労働者に対しても、労働時間、休憩、休日、有給休暇、賃金の支払いなど、法律で定められた基準を遵守する必要があります。

Q. 通報や告発されたらどうしたらいいですか?

労働者から労働基準監督署に通報や告発がされ、調査の連絡があった場合は、まず誠実に対応することが重要です。
調査を拒否したり、虚偽の報告をしたりすると、かえって事態を悪化させ罰則につながる恐れがあります。
指摘された内容を真摯に受け止め、違反の事実があれば速やかに是正する流れが求められます。
不安な場合は、社労士など専門家へ相談して対応してもらうことも検討すべきです。

Q. 労働基準監督署に通報した従業員を解雇や減給することは可能ですか?

労働基準法第104条2項により、労働者が労働基準監督署へ会社側の法令違反の事実を申告したことを理由に、会社がその従業員に対して解雇や減給などの不利益な取り扱いをすることは法律で固く禁じられています。仮にこれに違反して報復的な措置をとった場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金といった刑罰が科される可能性があります。告発を受けた場合は、まず事実関係を真摯に受け止め、是正に向けた対応を進めることが不可欠です。

Q. 労働基準法違反の疑いがある場合、労働者はどこに相談できますか?

労働者が不当な扱いを受けていると感じた場合、まずは社内の通報窓口や人事部への相談が挙げられます。社内での解決が難しい場合は、労働局や労働基準監督署内に設置されている「総合労働相談コーナー」を利用して行政機関に申告することが可能です。また、未払い残業代の請求や不当解雇など具体的な法的トラブルに発展しているケースでは、労働問題に詳しい弁護士へ相談し、必要に応じて労働審判や民事訴訟などの法的手続きを進めることも一つの選択肢となります。

まとめ

労働基準法への違反は、企業にとって刑事罰や是正勧告、企業名公表、従業員からの損害賠償請求といった多岐にわたるリスクを招きます。
これらのリスクは、金銭的な負担だけでなく、企業の社会的信用を大きく損ない、人材確保や事業継続そのものを困難にさせる可能性があります。
経営者や労務担当者は、労働関連法規の重要性を再認識し、労働時間の正確な管理や就業規則の適切な整備、専門家の活用などを通じて、コンプライアンス体制を強化することが求められます。


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吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

執筆:吉田 優一(社会保険労務士法人ONE HEART 代表・社労士)

社会保険労務士法人ONE HEARTの代表社労士。慶應義塾大学中退後、社会保険労務士試験に合格。その後社会保険労務士法人に勤務し、さまざまな中小企業の労務管理アドバイス業務に従事する。その中で、正しいノウハウがないためヒトの問題に悩む多くの経営者に出会う。こうした経営者の負担を軽減しながら、自らも模範となる会社づくりを実践したいという想いから、社会保険労務士法人ONE HEARTを設立。

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